第6回 自分もしている?無意識のマウント行動とは?
- 内山克浩
- 1月6日
- 読了時間: 3分
社会保険労務士の内山です。
いつもありがとうございます。
自分が相手より優位な点を挙げ、上の立場に立とうとする行動を「マウント行動」といいます。
マウント行動を行う人は、私たちの日常生活の中で、特に人間関係や会話の場面でよく見られ、この行動の背景には、脳の働きや心理的な影響が深く関わっています。
マウント行動の根底には、自己重要感を満たしたいという強い欲求があると言われています。
幼少期に親から十分に褒められなかった人は、「自分は重要な存在ではない」 と感じたまま成長し、大人になると他人に自分の価値を求める傾向があります。
逆に、幼少期から過剰に褒められて育った人は、「自己中心的な見方」をしやすい傾向があります。
他人より有利に立とうとするマウント行動は、日常の細やかな場面にも現れます。
たとえば、夫婦間での会話の中で、夫が「今日はたくさん家事をしたよ」と自己アピールすると、妻が「私はそれを毎日よ」といった言葉を返したり、友人同士の会話でも、ある人が「週末にキャンプに行ってきた」と話した際に、別の人が「自分は去年もっと遠くに行ったよ」とマウント行動を取るようなケースです。
実は、男性の方が女性よりマウント行動を取りやすい傾向にあります。理由は、長い歴史の中で培われ続けてきた競争的な行動が影響していると考えられています。
男性は、集団の中で自らの価値を証明し、地位を確立することで生存と繁殖の機会を得てきました。
このような進化的な背景があって、現代社会でも競争心や優位性を示す行動として現れることがあるのです。
また、心理学には「ダニング=クルーガー効果」という現象があり、能力が低い人ほど自信過剰になり、実際の自分の能力を過大評価するという心理的傾向を指します。
自分を誇示することで脳の「報酬系」が活性化して快感を得ると考えられており、その結果、マウント行動が習慣化することもあります。

絶対的な診断基準ではありませんが、マウントを取りやすい人を見分ける方法があります。
まず、相手に「自分の額にEを書いてください」と頼みます。
自分から見てEが正しく読める向きに書く人は「自己中心的な思考」が強い傾向があり、相手から見てEが正しく読める向きに書く人はその傾向が弱いとされています。
マウント行動を防ぐには、相手の立場を意識して、話に共感を示すことをお勧めします。
共感を示すことで相手は「聞いてもらった」と感じ、マウント行動と見なされることなく、対話がスムーズに進みます。
日々の生活では「優位性」ではなく「相互理解」を大切にする意識が、自分と周囲の幸せにつながります。




