top of page

第57回 あなたの脳が作る「好き嫌い」の秘密

  • 内山克浩
  • 2025年12月29日
  • 読了時間: 3分

社会保険労務士の内山です。

いつもありがとうございます。


私たちは日々、仕事やプライベートにおいて、様々な「好き」や「嫌い」といった感情に突き動かされています。

なぜ、ある人や物事には強く惹かれ、あるものからは距離を置きたくなるのでしょうか。

また、私たちはどのようにして複雑な社会の中で考え、行動し、人間関係を築いているのでしょうか。

その答えの鍵を握っているのは、他ならぬ私たち自身の「脳」と、そこに蓄積された「記憶」です。


まず理解しておきたいのは、感情の正体についてです。

感情とは、私たちの身体の中で起こる様々な変化(心拍数の上昇、発汗、筋肉の緊張など)に対し、脳が一つの反応としてまとめ上げたものです。

この感情が私たちを様々な行動へと駆り立てる原動力となっているのです。


では、なぜ私たちは特定のものを「好き」になったり「嫌い」になったりするのでしょうか。

その起源は、人類が進化の過程で培ってきた生存本能にまで遡ります。


想像してみてください。

私たちの祖先は過酷な自然環境を生き延びるために、快適で安全な環境や、安心して食べられるものを常に探し求めてきました。

「この洞窟なら雨をしのげそうだ」「この草原は肉食獣がいないから安全だ」「この果物は食べても害がなさそうだ」といったように、より良い環境や安全な食べ物を探し続けてきたのです。

こうした「好奇心」を発揮して、自分たちをより良く生かしてくれるもの、生存確率を高めてくれるものを探し続けることが、生きる上で必要不可欠でした。


そして、発見した「快適」「安全」「安心」といった情報に対して、脳の扁桃体という部分が「快・好き」というタグを付けるのです。

このタグが付けられると、快楽物質であるドーパミンが放出され、脳は心地よさを感じて幸福感を得ることができます。

これが、私たちが「好き」と感じる瞬間の脳内のメカニズムです。


この一連の経験、すなわち「好奇心を持って行動し、快を得た」という体験は、強烈な「記憶」として脳に刻まれます。

つまり、私たちが(一部の先天的な恐怖心などを除いて)日常で感じる「好き嫌い」とは、本質的には過去の記憶が生み出しているものなのです。

「あの仕事はうまくいって快適だった」「あの人との会話は安心できた」という記憶が、「好き」という感情を形作り、強化していきます。


この脳の仕組みを理解することで、日常生活の中でどのように好感を持たれる状況を作り出すことができるかがわかってきます。

例えば、自分自身や部下、あるいは自分の子供の可能性を伸ばしたいと考えたときに重要なのは、「好きなこと」を積極的に経験させることです。

ただ頭で理解させるだけでなく、五感(視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚)をフルに使って「快」の記憶に触れさせる機会をつくるのです。

一方で、パワハラや叱る教育などの恐怖心を植え付けるようなことは逆効果となってしまいます。


私たちの複雑な心や行動は、すべて脳の中で起こる合理的な反応に基づいています。

私たちの脳と感情の働きを理解することは、誰でも好きなことを通じて、豊かな人生を築くことができるのではないでしょうか。


所在地

〒810-0064

福岡県福岡市中央区地行1丁目15番7号

© 2023 VALUE社会保険労務士事務所,レイバートラストCo. Ltd.
bottom of page