第53回 脳の「想像力」で、無理なく目標達成する秘訣
- 内山克浩
- 11 分前
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社会保険労務士の内山です。
いつもありがとうございます。
「もっと自分を変えたい」「高い目標を達成したい」と願いながらも、意志の力だけでは続かないと感じることはないでしょうか。
実は、私たちの脳には、根性論に頼らず、目標へと導いてくれる強力な機能が備わっています。
その機能とは、私たちの「想像力」です。

脳科学の研究によると、何かを思い出そうとするときに使われる脳の回路と、新しいアイデアを創造するときに使われる回路は同じです。
思い出そうとするとき、脳はフル回転しており、思い出せた瞬間にはドーパミンが分泌されて私たちは快感を得ます。
この過程で記憶の回路が強化され、それにより想像力が鍛えられ、脳の基本性能も向上しています。
この想像力の活用法として興味深いのが、有名なマシュマロ実験の結果です。
目の前のお菓子を我慢できた子どもたちは、実際のマシュマロを「ふわふわの雲」や「ただの白い塊」など、美味しさや食感とは全く違うものを心の中でイメージし、食べたい欲求を抑える方法を無意識に使っていました。
これは非常に理にかなった方法なのです。
つまり「意志力」を鍛えるには、根性論に頼るよりも「想像力」を駆使した方が、無理なく習慣や行動を変えられる可能性は高いのです。
例えば、禁煙やダイエット、新しいスキルの習得といった場面にも応用できます。
また、「嫌な記憶」を上書きする方法もあります。
脳は過去の失敗など嫌な思い出があっても、「同じ状況での成功体験」によって記憶を上書きすることが可能なのです。
大切なのは、失敗から逃げるのではなく、あえて同じような状況に再挑戦し、「成功体験」という新たな情報をインプットすることです。
小さな成功で構いません。一度でも「うまくいった」という楽しい記憶を作ることができれば、脳はこちらの記憶を優位に捉え、苦手意識は少しずつ薄れていきます。
さらに、心と体、考えと行動が強く結びついていることも科学的に証明されています。
この繋がりを最大限に活用するテクニックが「可視化」です。
私たちの脳には「RAS(網様体賦活系)」というフィルター機能があり、自分が意識している情報だけを拾い上げる性質があります。
皆さんも、自分が欲しいと思った車や洋服を、街中で多く目にした経験があるのではないでしょうか。
自分がなりたい姿や手に入れたい目標を、具体的にイメージすることが極めて重要です。
可視化とは、単に目標を思い浮かべることではありません。
目を閉じ、目標を達成した瞬間の光景、聞こえてくる音、周囲の人の祝福の声、その時の自分の感情や誇らしい気持ちまで、五感をフル活用して鮮明に描き出すことです。
具体的にイメージすることで、脳はそれを現実の出来事として捉え始め、達成に必要な情報やチャンスを自然と集めるようになります。
なお、この可視化は、脳がリラックスしている「早朝」や「就寝前」に行うのが最も効果的です。
このような脳科学の知見を日常に取り入れることで、生活をより豊かにすることができるのではないでしょうか。




