第48回 パフォーマンスを引き出す食の真実②
- 内山克浩
- 10月27日
- 読了時間: 3分
日々の業務で脳を酷使し、「最近、どうも集中力が続かない」「大切なことをうっかり忘れてしまう」と感じることはありませんか。
実は、最も身近で効果的な改善方法の一つが「食事の見直し」です。
今回は、脳を最高のコンディションに保ち、仕事の成果を最大化するための食事術をご紹介します。

まず押さえておきたいのは、効率的な栄養補給の基本です。
第一に、朝食はできるだけ摂取しましょう。忙しい朝でも、脳のエネルギー源となるブドウ糖の補給は欠かせません。
第二に、手軽な菓子パンよりもご飯を選びましょう。ご飯は血糖値の上昇が緩やかで、午前中のパフォーマンスを安定させます。
第三に、主食は白より茶色を心がけましょう。白米より玄米、白パンより全粒粉パンなど、精製度の低い食品の方が栄養価が高いのです。
脳機能向上に効果的な食材についても知っておきましょう。
まずは「魚」です。DHAやEPAなどのサプリメントを摂取するのも良いのですが、魚そのものを食べる方が他の栄養素もバランス良く摂取できるため効果的です。
調理法は、栄養素が失われにくい煮魚や焼き魚が最適です。
小腹が空いた時には、カカオが豊富に含まれた「ダークチョコレート」がおすすめです。
これはスーパーフードと呼ばれるほど栄養価が高く、脳機能向上に貢献します。
特にカカオポリフェノールは、脳の血流を促進し、記憶力や集中力を高める効果が期待できます。
飲み物も見逃せません。
1日3〜5杯のコーヒーを飲む人は、ポリフェノールの働きにより、飲まない人に比べ認知症リスクが65%も低下すると報告されています。
さらに効果的なのが緑茶で、1日2杯の緑茶で認知症になる確率が3分の1まで減少します。
コーヒーよりも緑茶の方が、脳機能向上や認知症予防により効果的とされています。
食事の内容についても注意が必要です。
「飽和脂肪酸」を多く含む高脂肪食は学習能力を0.6倍まで低下させ、さらに運動してもこのマイナス効果は相殺できないという恐ろしい特徴があります。
高カロリーで飽和脂肪酸を多く含むジャンクフードは、まさにその代表格で脳に悪影響を与えます。
実際の研究では、ジャンクフードを継続摂取したラットの脳は、薬物中毒者の脳と同様の状態になることが確認されています。
時々楽しむ程度であれば問題ありませんが、脳の活性化を目指すなら、これらの食習慣を見直すことが賢明です。
また、家庭で使用する「油」にも注意しましょう。
サラダ油に含まれる「リノール酸」は、本来必要な栄養素ですが、加熱すると脳萎縮の原因となる有害物質に変化し、記憶障害やうつ病、動脈硬化、アレルギーなどを引き起こすと提唱されています。
また、サラダ油に含まれる「トランス脂肪酸」は善玉コレステロールを減らし、悪玉コレステロールを増やす傾向があります。
同様に、サラダ油から作られることの多いマヨネーズや、トランス脂肪酸が多いマーガリンは健康のために摂取量を控えることをお勧めします。
私たちの脳と体は、日々の食事から作られています。
完璧な食生活を明日から始めるのは難しいかもしれませんが、まずは「何を食べるか」「何を避けるか」を少し意識することから始めてみませんか。
その一歩が、明日のあなたのパフォーマンスを、そして未来のあなたの健康を大きく変えることになるでしょう。




