第46回 働き盛りのための最強の睡眠戦略③
- 内山克浩
- 10月13日
- 読了時間: 3分
社会保険労務士の内山です。
いつもありがとうございます。
忙しい毎日を送る中で、「もっとパフォーマンスを最大化し、効率的に成果を上げられたら」と感じることがあるのではないでしょうか。

実は、睡眠は単なる休息の時間として捉えられがちですが、睡眠こそが学習効果を飛躍的に高める鍵であり、戦略的に活用することができます。
今回は、戦略的な学習時間として「睡眠学習」についてお伝えします。
睡眠が必要な理由は、外界からの情報を完全にシャットアウトし、余計な刺激を排除した状態で、脳内の膨大な情報を整理し、記憶を定着させるためです。
興味深いことに、私たちが頭を枕に置いてもすぐに眠りに落ちないのには、進化的な背景があります。
狩猟採集民だった私たちの祖先は、サバンナで睡眠を取る際、外敵に襲われるリスクと常に隣り合わせでした。
そのため、知覚情報を完全にオフにすることは、生存上極めて危険であるため、段階的に深い眠りに入るメカニズムが発達したと考えられています。
この生存本能が現代の私たちにも受け継がれており、覚醒から入眠への移行に時間がかかるのです。
入眠までのプロセスを経て、深い睡眠に入ると、脳は驚くべき働きを見せます。
特に、脳の海馬(かいば)が活発に活動し、日中蓄積された膨大な情報を整理・統合を行います。
これは、脳が記憶を「再編集」し、必要な情報を長期記憶として定着させるプロセスです。
この過程で起こる「レミニセンス(追憶)」という効果を最大限に活用することで、私たちは睡眠時間を「学習時間」に変えることができます。
具体的には、就寝前にしっかり覚えたい内容に再度目を通しましょう。
例えば、重要な会議やプレゼンの資料など、覚えておきたい内容を就寝前に再度軽く目を通すことで、脳がその情報を優先的に整理しやすくなります。
さらに、ポジティブな「成功イメージ」を具体的に描いたまま眠りにつくことで、レミニセンス効果によって脳がその実現に向けた思考を整理し、無意識下で成功策を探してくれる可能性が高まります。
数日間これを繰り返すことで、記憶の定着度はさらにアップします。
「睡眠学習」の効果は、知識の定着よりも、運動技能の習得の方が顕著に表れると言われています。
新しく覚えた運動技術は、練習直後よりも、十分な睡眠を取った後の方がむしろ成績が良くなることが研究で示されています。
これは、睡眠中に脳が練習した技術を整理し、より洗練された技術として定着させるからです。
運動技能の習得には、できるだけ質の良い睡眠を取るようにしましょう。
忙しい現代社会において、睡眠時間を自分の能力を最大限に引き出す戦略的な学習時間として、「睡眠学習」を取り入れてみてはいかがでしょうか。




