第3回 紙に書くだけで感情整理が進む理由は?
- 内山克浩
- 2024年12月16日
- 読了時間: 3分
社会保険労務士の内山です。
いつもありがとうございます。
お酒を飲むと脳の機能が低下し、特に理性や判断力を司る「前頭前野(ぜんとうぜんや)」が影響を受けやすくなります。
アルコールは脳の伝達機能を鈍らせ、普段はスムーズにできることが途切れ途切れになり、その結果、感情や欲求といった本能的な部分を支える「原始脳」が優位になりやすくなり、理性の抑制が利かなくなってしまうのです。
例えば、仕事終わりの飲み会で普段は穏やかな同僚が急に怒り出したり、普段は冗談を言わない人が冗談を言ったりする場面を見たことはありませんか?
また、笑い上戸や泣き上戸になるのも、心の奥底に抱えていた感情が表に出やすいためです。
多くの人は日常的にさまざまな感情を抑え込みながら生活していますが、その抑圧が無意識のうちにストレスを生み、お酒に頼ることがあります。
このとき、お酒ではなく『紙に書き出す』という行動が効果的です。この手法は、トラウマ解消に関する研究でもその効果が確認されています。
研究ではトラウマを持つ人を2つのグループに分け、一方はトラウマを人に話してもらい、もう一方は紙に書き出してもらいました。
その結果、人に話してもらったグループは効果がなく、その場は安心するものの問題が解消されないことが分かりました。

紙に書き出したグループは、トラウマが消えていく効果が認められました。書くことは感情を外に出し、視覚化するため、悩みが自分から離れた『もの』として認識されやすいのです。
ここで大事なこととして、書き出す際には、自分が感じた怒りや悲しみ、悔しいと感じた本音を書き出すことです。つらいとかバカヤローなど、感情として思いつくものをなくなるまで書き出すのです。
例えば、「仕事で上司に叱られて悔しかった」「家庭での問題がストレスだった」など感情を言葉にしましょう。パソコンやスマートフォンに入力するのでも構いません。
ポイントは、すっきりするまで書き出すことです。 一度書き出して、何日かしてからまた書き出すことを繰り返し、スッキリするまで書き出します。人によって違いますが、1週間ほど書くと何もなくなるときが来ます。
感情を紙に書き出すことで、普段は主観的にしか見えなかったものが客観視できるようになり、自分自身を違った角度から俯瞰して見られるようになります。
これは日常生活でも使える手法です。
例えば、ストレスが溜まったときや過去のつらい出来事が頭をよぎるときに、そのときの感情を紙に書き出す作業を取り入れると感情の整理が上手にできます。
是非、トライしてみてください。




