第34回 デキるビジネスパーソンは知っている!スマホの罠と回避術②
- 内山克浩
- 7月21日
- 読了時間: 3分
現代社会において、スマホは私たちの生活に深く浸透し、仕事やコミュニケーションに不可欠なツールです。
しかし、その一方で、心身、特に睡眠に影響を与えているという事実もあります。

特に懸念されるのは若年層の睡眠時間短縮で、20カ国、70万人の子供を対象とした調査によれば、わずか10年で平均約1時間も短縮しているという驚くべきデータがあります。
この傾向は大人よりも速いペースで進行しているようです。
その主な原因はスマホの普及に伴う「スクリーンタイム」の増加と言われています。
12万5千人の子ども・若者を調査した結果、1日2時間を超えるスクリーンタイムはうつ病リスクを高め、使用時間が長くなるほどその危険性は増大します。
特に10代の若者はSNSでの他者との比較によるストレスが心の不調を招いています。
スマホの画面から発せられるブルーライトも睡眠の質を低下させます。
ブルーライトは本来、太陽光に多く含まれる光であり、それを浴びると睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌が抑えられ、身体は昼間の活動のサインとして捉えます。
そのため、夜遅くまで見ていると脳が「まだ昼間だ」と錯覚し、寝付きが悪くなり、体内時計が乱れてしまうのです。
さらに、スマホの通知音は、脳内に「ドーパミン」というご褒美物質を放出させ、新しい情報を求める強い依存傾向を生み出します。
この現象は、進化の過程で社会との繋がりを求める生存戦略として備わったものであり、通知音は社会との繋がりを実感させてくれるからです。
こうして、私たちはデジタルな情報に次々と飛びつき、スマホから離れられなくなるのです。。
では、デジタル時代にスマホと賢く付き合うにはどうすれば良いでしょうか。
いくつかの具体的な対策を提案いたします。
①寝室からスマホを遠ざけるため、専用の目覚まし時計や腕時計を利用する
②食事中はスマホをテーブルに置かないルールを設ける
③寝る1時間前からはスマホを見ないようにする
④毎日1〜2時間の「デジタルデトックス」時間を設け、手の届かない場所に置き、周囲にはその旨を伝えておく
⑤プッシュ通知をオフにする
⑥SNSは、積極的に交流したい人だけをフォローし、情報の洪水から距離を置く
⑦場合によってはSNSアプリをアンインストールし、パソコンでのみ利用する
などが効果的です。
ブルーライトの影響を避けるためにも、意識的にスクリーンから離れる生活習慣に見直しましょう。
最後に、人と直接会っているときは、スマホをマナーモードにしてカバンにしまうか、少し離れた場所に置くことを心がけましょう。
目の前の相手とのコミュニケーションを大切にする姿勢は、より良い人間関係を築く上で不可欠です。
これら対策によって、スマホを完全に排除するのではなく、便利さを享受しつつ、自分自身を上手にコントロールする習慣にもなります。
意識的な使い方を少しずつでも実践することが、現代人の課題なのかもしれません。




