第31回 心の状態を司る神経伝達物質②
- 内山克浩
- 6月30日
- 読了時間: 3分
社会保険労務士の内山です。
いつもありがとうございます。
最近、「なんだかやる気が出ない」なんてことありませんか?
ふと、「昔みたいにワクワクしないな」「休日はゴロゴロして終わる…」なんてこと、ありませんか?
それは、もしかしたら脳内物質の「ドーパミン」が足りていないサインかもしれません。
今回は、比較的メジャーで「やる気の源」ともいわれるドーパミンについて解説します。
ドーパミンは、脳内で情報を伝える神経伝達物質の一つで、ニューロン(神経細胞)にある小さな袋の中に格納されています。
このドーパミンは、私たちが何かを「欲しい!」と感じるときにとても重要な役割を果たしています。
例えば、お腹が空いているときに美味しそうな料理の写真を見ると、「あ~、食べたい!」っていう気持ちになるのはドーパミンの働きです。
脳が「食べる」という報酬を期待して、私たちを行動させようとしているのです。
ここで覚えておきたいのは、大好きなラーメン屋さんの前で「食べたい!」と感じるのはドーパミンによるものですが、実際に食べた後の「おいしかった!」という満足感はオピオイドという別の物質によるものです。
しかし、残念ながら年齢とともにドーパミンの分泌量は直線的に減少していきます。
これが食欲や性欲などの生理的欲求が加齢とともに低下する理由です。
欲求がある高齢者ほど長生きする傾向があり、食欲旺盛な高齢者は、食が細い高齢者に比べて死亡リスクが2倍以上低いことが分かっています。
若い頃夢中だった趣味も、「最近なんだか気が進まない…」という方は、ドーパミンの分泌量が一つの原因かもしれません。
では、ドーパミンの分泌を増やし、脳を若々しく保つにはどうすればよいでしょうか。
ご安心ください!日常生活でドーパミンの分泌を増やす方法はいくつかあります。

例えば、笑顔でいる、好きな音楽を聴く、軽い運動をする、好きな人の写真を見る、新しいことに挑戦するなどが効果的です。
どれも取り入れやすいものばかりですが、ドーパミンは主体的に行動しているときに分泌されやすく、受け身では分泌されにくいので注意しましょう。
ドーパミンの分泌量が少なすぎるとパーキンソン病などの運動障害を引き起こし、過剰だと統合失調症の症状と関連することもあります。
また、スマートフォンやギャンブルへの依存もドーパミンの過剰分泌と関係しています。
ドーパミンは、私たちの感情や行動に深く関わる重要な物質です。
過剰にならない程度に積極的にドーパミンの分泌をし、年齢を重ねても若々しい脳を保ちましょう!




