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第28回 脳の部位と機能⑤

  • 内山克浩
  • 6月9日
  • 読了時間: 3分

社会保険労務士の内山です。

いつもありがとうございます。


今回は、私たちの感情と行動を操る、小さなアーモンドのような形の「扁桃体(へんとうたい)」についてお伝えします。


皆さんは、会議で上司に詰められたときの嫌な感覚、あるいは片思いの人が別の人と仲良くしている姿を見て、嫌な気持ちになった経験など一度はあるかと思います。 

これらの感情の裏には脳の奥深くに潜む小さな器官、「扁桃体」が大きく関わっています。

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扁桃体は19世紀前半に発見され、親指の爪ほどの大きさで、アーモンドに似た形から名付けられた器官です

この小さな器官の影響力は絶大で、私たちの感情、特にネガティブな感情を司る重要な役割を担っています。


「恐怖、怒り、不安」といった感情が湧き上がった時、扁桃体は活発に活動します

例えば、プレゼン前に感じる緊張感や、苦手な取引先との電話を前にしたときの憂鬱などがあります。

これらは全て、扁桃体が危険を察知し、あなたを守ろうとしているサインなのです。


記憶という観点からも、扁桃体は重要な役割を果たします

特に、強い感情を伴う記憶は、扁桃体によって「負の記憶」として長期保存されやすいのです。

例えば、過去のトラウマや忘れられない失敗談などが良い例でしょう。

ふとした瞬間にフラッシュバックのように思い出され、当時の感情まで鮮明に蘇るのは、扁桃体がその時の興奮を記憶とセットで呼び起こすためです。


面白いことに、扁桃体は一目惚れにも関わっていると考えられています

一目惚れの瞬間、視覚的な情報は論理を司る大脳新皮質よりも感情を司る扁桃体に早く伝わるため、「ビビッときた!」という感覚が生まれるのです。

その後、大脳新皮質が「なぜ惹かれたのか」を後付けで理由を考えるとも言われています。


脳は、五感から入ってくる情報量があまりにも多いため、自分にとって重要な情報だけを最初に選び分けています。

その際、扁桃体は入ってくる情報に「感情」というタグをつけています

これは、生物学的に見て自分の命を脅かす危険がある情報や生存に有益な情報に対して行われます。

命を脅かす危険な情報には「不快・嫌い」のタグを、生存に有益な情報には「快・好き」のタグをつけていると言われています。


一方で、脳には「側坐核(そくざかく)」というやる気や快感を司る部分もあります

この側坐核は、「報酬中枢」もしくは「快楽地帯」とも呼ばれ、快楽の追求において中心的な役割を果たしています。

そのため、私たちが目標を達成したり趣味に没頭するときに必要なやる気を引き出してくれるのです。


扁桃体と側坐核、この二つによる感情のジェットコースターを上手に乗りこなすことが、感情コントロールの鍵かもしれません。


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