第27回 脳の部位と機能④
- 内山克浩
- 6月2日
- 読了時間: 3分
社会保険労務士の内山です。
いつもありがとうございます。
今回は、私たちの「記憶」に関係する部位と機能に焦点を当てたいと思います。
「最近、人の名前が思い出せない」「会議での話をすぐに忘れてしまう」といった経験は、ありませんか?

30代・40代の働き盛りの皆さんなら、一度や二度の経験があるのではないでしょうか。
もしかしたら、それは脳の奥深くにある「海馬(かいば)」が疲れているサインかもしれません。
この海馬は、左右の側頭葉(そくとうよう)の奥深くに位置しており、小指ほどのサイズでタツノオトシゴのような形をしています。
記憶を司る大切な器官であり、まさに記憶の要とも言える存在です。
驚くべきことに、海馬は年齢を重ねても神経細胞を新しく作り出す「可塑性(かそせい)」を持っているため、いくつになっても鍛えることができるのです。
したがって、海馬を意識的に鍛えることで、記憶力を向上させることが期待できます。
記憶力向上の手段として特に有効なのが、「有酸素運動」と「音楽」です。
適度なウォーキングやジョギングは、海馬の神経細胞を活性化し、記憶力を高める効果があります。
例えば、週末に家族と公園を散歩したり、通勤で一駅分歩いたりするだけでも効果を実感できるでしょう。
さらに、音楽も海馬を刺激する強力な要素です。
懐かしい曲を聴くと、当時の情景や感情が鮮やかに蘇ることがありますよね?
これは、海馬が音楽と結びついた過去の体験を呼び起こし、脳に保存された情報を引き出すためです。
学生時代によく聴いていた曲を聴くと、当時の思い出や熱中していたことが蘇り、懐かしい気持ちに浸れるでしょう。
海馬は記憶だけでなく空間認知も担っています。
海馬が損傷すると空間認識能力が低下し、自分がどこにいるのか、何をしているのかさえ分からなくなる可能性があります。
また、思考や行動に影響を与える前頭葉など、さまざまな脳機能の発達にも影響を与えるため、仕事の生産性や日常生活全体に大きく影響します。
記憶は脳のさまざまな部分に分散して保存され、新しい技術や経験は一時的に海馬に蓄えられた後、徐々に大脳皮質の側頭葉に移行して長期保存されます。
自転車に乗る、ゴルフボールを打つといった身体技術は、大脳基底核の線条体(せんじょうたい)が主に関与しています。
また、音楽を聴きながらメールを送るといった複数の作業を同時に行う場合も、その記憶は線条体に蓄積されます。
これからの生活において、有酸素運動や音楽を積極的に取り入れて、より良い記憶力と脳の活性化を維持していきましょう。
記憶力に自信が持てれば、仕事もプライベートも、もっと充実すること間違いなしですね!




