第23回 自分自身を知る第一歩 「脳の成長過程⑥」
- 内山克浩
- 5月5日
- 読了時間: 3分
社会保険労務士の内山です。
いつもありがとうございます。
今回は脳の成長過程についての最終回です。
7歳から40歳を過ぎるまでの脳の成長についてお伝えいたします。
7歳頃になると、脳はかなり発達していますが、言語能力はまだ発達段階にあります。

そのため、難しい言葉ではなく、理解しやすい言葉で伝えることが大切です。
例えば、子どもが何かを欲しがるときに、「どうしてそれが欲しいのか」を簡潔に聞き、気持ちを理解して反応することで、言語能力の発達を促せます。
8歳頃は、脳の大きさはほぼ大人と同じ95%に達します。
しかし、母親の不安は子どもの発達に影響を与えるため、愛情を注ぎ、安心感を与えることが重要な時期です。
また、母国語の基礎(言語野という脳領域)が形成されるため、丁寧な言葉を使う家庭環境が言語能力に大きく影響します。
10歳前後になると、左脳の働きが優位になり、論理的な思考が発達します。
これまで曖昧な表現やダブルスタンダードを理解できなかった子どもも、論理的に物事を捉え理解できるようになる時期です。
そのため、学校での教育と家庭での教えを一貫させる必要があります。
14歳頃からは、丸暗記が苦手になり、推論や予測に基づいた学習が得意になるため、勉強方法を工夫しましょう。
問題を解く際に「なぜこれが正解なのか」を考えることで、理解が深まります。
ティーンエイジャーの頃は、ドーパミンが活発に分泌され、成功体験で喜びを感じやすい一方、失望も強烈に感じる時期です。
また、衝動を抑える能力が未熟なため、危険な行動には注意が必要です。
そして20代前半は、決断力がピークを迎えます。
しかし、その後は残念ながら前頭前野の機能が緩やかに低下すると言われています(もちろん個人差はあります)。
だからこそ、この年齢以降は様々な経験を通して脳を活性化させることが重要になります。
30歳を過ぎると、これまでの経験を活かして関連性を見出す能力が飛躍的に向上します。
例えば、英語を話せる方は、フランス語など新しいスキルを習得しやすくなります。
推理力や比喩表現力も高まり、仕事や人間関係でより柔軟な対応ができるようになります。
20代までの経験を基にして、30歳までに脳のインフラが整備されると言われています。
若い頃の失敗は「体験メモリー」として蓄積され、30代以降の思考力や判断力を支えます。
例えば、学生時代のアルバイト経験は、マネジメントの仕事を様々な立場で物事を考える上で役立ちます。
40歳頃から脳の機能が緩やかに低下すると言われますので、1日5分以上全く新しい情報を脳に取り入れる習慣をつけましょう。
ニュースアプリで全く知らない分野の記事を読んだり、オンラインセミナーに参加したりするだけでも効果があります。
年齢を重ねるごとに脳は変化しますが、それは単なる退化ではなく、進化の過程でもあります。
年齢に応じた脳の変化を理解し、それに合わせた子育てや自己成長を考えることで、より豊かなライフスタイルを送ることができます。




