第21回 自分自身を知る第一歩 「脳の成長過程④」
- 内山克浩
- 4月21日
- 読了時間: 3分
社会保険労務士の内山です。
いつもありがとうございます。
今回は脳の成長過程において、3歳から4歳頃を中心にお伝えいたします。
「三つ子の魂百まで」という諺がありますが、幼少期の環境や経験は、想像以上に私たちの人格形成に深い影響を与え続けることが知られています。
特に3歳から8歳頃までは「幼児脳」と呼ばれる時期であり、この時期における親子関係だけでなく、友人との交流もその後の人間性を育む基盤になります。
例えば、子供が友達のおもちゃを欲しがって駄々をこねたとき、皆さんはどう対応しますか?
今回お伝えしたいことは、3歳から4歳頃の子供は、まだ「他者の心」を完全に理解できないということです。
1983年に発表された有名な実験に、チョコレートを隠す実験があります。
マキシという子がチョコレートを青い箱に入れて出かけた後、母親がそれを緑の箱に移す映像を子供たちに見せます。
マキシが戻ってきた時、子供たちにマキシがチョコレートを探す箱は「青か緑か」を尋ねると、4歳の子は「青い箱」、4歳未満の子は「緑の箱」と答えました。
これは、4歳以上の子は「マキシはチョコレートが青い箱にあると思っている」というマキシの視点を理解できるのに対して、4歳未満の子は「自分が緑の箱にあることを知っているから、マキシもそう思っている」と自分の視点からしか考えられないためです。
しかし、この実験で4歳なら相手目線で考えることができるとされた「心の理論」も、2021年に発表された実験で覆りました。
子供たちへの質問を「マキシは青、緑、赤の3つうち、どの箱を探すか?」と聞いたところ、4~5歳の子供は、50%の確率で「青」と答え、もう50%の確率で「赤」と答えたのです。
この実験から、4歳前後の子供は、選択肢が増えることで、私たちの想定よりも不完全な仕方で物事を判断していると分かりました。
この点を理解しておくと、子供への接し方も変わってくるでしょう。
また、子育てでよく聞かれるのが「褒めて育てる」という言葉です。
まさにその通りで、特に3歳からは、積極的に褒めてあげることが大切です。
3歳から6歳の間は、良いものを見せ、本物に触れさせ、良い言葉を聞かせるなどして、決して否定をしないことで、子供の心にポジティブな影響を与えましょう。
また、良いことと悪いことのルールをしっかりと教え、感情や行動を状況に応じてコントロールする能力を身につけさせるのも、この時期から始めるのが良いでしょう。
子供は、親の金銭感覚や価値観を自然と吸収していきます。
そのため、精神科医であるエリック・バーンが提唱した、3歳から6歳頃に形成される「人生脚本」には、親の金銭感覚や価値観が大きく影響すると記されています。
このように、3歳から4歳くらいまでの経験が、子供たちの未来を大きく左右することを意識し、愛情深く、適切なサポートを心がけましょう。
次回は、5歳頃の脳を中心にお伝えします。





