第20回 自分自身を知る第一歩 「脳の成長過程③」
- 内山克浩
- 4月14日
- 読了時間: 3分
社会保険労務士の内山です。
いつもありがとうございます。
お子様の成長は喜ばしい反面、様々な情報に溢れる中で、何が本当に良いのか迷うことが多いと思います。
今回は、2歳から3歳の「乳児脳」の発達において、特に母親や育つ環境が非常に重要な役割を果たし、その後の人生に大きな影響を与えることについてお話します。
乳児脳と呼ばれるこの時期は、脳の発達が著しく、特に母親をはじめとする周囲の人々や環境から大きな影響を受ける時期です。

例えば、温かい言葉かけや愛情たっぷりのスキンシップは、お子様の心の安定を育み、健やかな成長を促します。
逆に、孤独を感じる環境は、その後の発達に悪影響を及ぼす可能性があると指摘されています。
2歳から9歳頃の幼少期の初期に当たるこの時期に、人格形成の基礎を築く上で、教育の在り方についても考慮する必要がある時期です。
ここで言う「教育」とは、早期教育のことだけを指している訳ではありません。
不適切な教育環境、例えば怒鳴ったり、揺すったり、叩いたり、無理やり何かをさせたりする環境も含まれます。
このような環境で育つと、12歳から16歳頃に前頭前野(ぜんとうぜんや)や扁桃体(へんとうたい)が著しく萎縮することが研究で示されています。
前頭前野は感情のコントロールや判断力に関わる部分で、扁桃体は不安や恐怖を感じる部分であり、ここの機能が低下すると、感情調節がうまくできず、大人になってから不安やうつ病に悩まされるリスクが高まります。
「良かれと思って…」ついつい厳しくなってしまう気持ちも分かりますが、行き過ぎた教育は、虐待と同様の結果を招く可能性があることを、ぜひ覚えておいてください。
また、最近では、2歳から3歳児にスマートフォンやタブレットなどのデジタルデバイスを与えることが浸透してきました。
しかし、お子様にデジタルデバイスを与えることは、子どもたちを小さな大人と扱い、発達段階に合わせた体験機会を奪っているように感じられます。
大人はアプリのパズルと実際のおもちゃのパズルに大きな違いを感じないかもしれませんが、2歳児にとっては、本物のパズルは指の運動能力を鍛え、形や材質の感覚を身に付ける効果は失われ、空間認識能力の発達を妨げる恐れがあります。
この時期は、お子様と一緒に公園で土や草に触れたり、自然の中で五感を刺激する体験をさせてあげるのが理想的な時期です。
幼少期の環境は、お子様の将来を左右すると言っても過言ではありません。
その初期が2歳から3歳の「乳児脳」の時期です。
子育てに完璧は存在しません。
大切なのは、お子様の個性と発達段階を理解し、愛情を持って接することです。
今日からできることを少しずつ取り入れて、お子様の健やかな成長をこれまで以上に支援できると良いですね。
次回は、3歳から4歳頃の脳についてお伝えします。




