第7回 上司の行動は部下にどれほど影響力があるか?
- 内山克浩
- 2023年11月20日
- 読了時間: 2分
更新日:2024年11月17日
社会保険労務士の内山です。
いつもありがとうございます。
業務が多忙で残業が避けられないのは理解できますが、なぜダラダラと残業する社員が存在すると思いますか?
一般的に、ダラダラ残業が横行する部署では、その状況が放置されることで、残業が当たり前の「残業文化」が形成されます。そして、その部署の社員は残業を当たり前だと感じ、残業を受け入れるようになってしまいます。
そうした部署に配属された新入社員も、残念ながら残業の習慣が身についてしまいます。
脳は、他者の行動を真似てその行動パターンを自分のものにしようとする驚異的な適応能力を持っています。これは「ミラー・ニューロン」と呼ばれる情報伝達や処理を担当する神経細胞の働きによって起こることです。
この驚異的な適応能力ですが、興味深いことに自分のものにするときは、脳は行動の良し悪しの判断はしません。よって、ダラダラ残業という良くないことでも、その適用能力は作動してしまいます。
例えば、社内にゴミが落ちているのに誰も拾わない職場で、唯一ゴミを拾う社員は「何でみんな拾わないのだろう。」と思いながら拾うでしょう。しかしそんな社員もいつかは拾わなくなってしまうでしょう。
なぜなら、拾わない方が楽であり、その楽な行動パターンを脳が自動的に取り入れる環境が整っているからです。

一方で、上司が素晴らしいリーダーシップを発揮し、部下を安心させる雰囲気を作り出すと、その部下の脳がそれを自動的に取り入れ、同様に周りを安心させる素晴らしい雰囲気を作り出すようになるでしょう。
このように、脳の適応能力を通して、「ミラー・ニューロン」が周囲の環境に応じて人格を作り上げていると言えるかもしれません。
だからこそ、上司にとっての習慣は職場にとって極めて重要となります。
職場において上司の何気ない言動が、良くも悪くも部下の人格形成(育成)に影響を与えていることを理解し、認識して行動しましょう。




