第58回 ストレス反応が業績に与える影響を知っていますか?
- 内山克浩
- 2024年11月11日
- 読了時間: 2分
更新日:2024年11月16日
社会保険労務士の内山です。
いつもありがとうございます。
経営者にとって、脳の働きを理解し、それを職場のマネジメントに活かすことは効果的です。
特に、脳の「危機対応システム」を理解することで、社員のストレス反応を正しくとらえ、適切な支援を行うことが可能です。

脳には「緊急システム」と呼ばれる本能的な反応メカニズムがあります。
これは、脅威を察知すると、アドレナリンを血流に放出し、呼吸や心拍数を増加させ、筋肉に血液が送り出されるようにして、身体を「闘争か逃走か」のモードにします。
たとえば、重要なプレゼンの直前に不安を感じて、心拍数が急上昇するのは、このシステムが機能しているためです。
このような反応は、人類が危険な環境で生き延びるために進化してきたものです。
脳にある扁桃体(へんとうたい)は、脳の奥深くに位置しており、恐怖反応を司る役割を果たしています。
この扁桃体は、恐怖を感じた瞬間にアドレナリンやコルチゾールの分泌を促して、迅速な行動を可能にします。
また、脳の他の活動を抑制し、恐怖という危機に集中できるようにします。
例えば、提出期限ギリギリに大きなミスを発見して不安を感じたことは、多くの方が経験したことがあるでしょう。
これは、脳がリスクを認識し、緊急対応モードに切り替わった結果です。
しかし、脳は、警告を楽観的に解釈しがちで、危機による被害を過少評価しがちであるのも事実です。
私たちが災害の準備や対応を怠る傾向にあるのもその表れです。
例えば、野生動物の世界ではその場でじっとして「対応しない」方が発見されずに襲われることが少なかったため、この反応が有効でしたが、現代のビジネス環境では、「対応しない」ことは災害対応やリスク管理において準備不足を招く可能性があります。
これは、経営者として、社員一人ひとりの不安や恐怖に対する反応を軽視せず、適切なサポートを提供することの大切さを示すものです。
例えば、営業社員が顧客との重要な交渉に不安を感じる場合、その原因を特定してサポートを行うことで自信を深めることができます。
このように脳の「緊急システム」の働きを理解することで、社員のストレス反応を抑え、生産性を向上させることが可能です。
安心して働ける環境を提供することで、組織全体のパフォーマンスも向上するでしょう。




