第49回 高齢社員の知識を企業の資産に変えるには?
- 内山克浩
- 2024年9月9日
- 読了時間: 2分
更新日:2024年11月17日
社会保険労務士の内山です。
いつもありがとうございます。
今回は、年齢の高い社員にもっと活躍してもらう方法についてご説明します。
年齢を重ねると、脳にある前頭葉(ぜんとうよう)の働きが弱くなり、感情のコントロールが難しくなることが知られています。この現象は年を取ると怒りやすくなり、キレやすくなる一因です。

しかし、年齢を重ねることで蓄積してきた多くの知識と経験を組み合わせ、高度な判断や決断を導く能力、いわゆる「結晶性能力」が高まる点もあります。
人間が長生きするのは、この能力を活かして社会に貢献するためでもあり、職場では後進の指導や組織の統括に大いに役立ちます。
経営者として、この結晶性能力をいかに活用するかが重要です。
例えば、ベテラン営業社員に、その豊富な知識と人脈を活かして若手社員を指導してもらいます。若手社員との定期的なミーティングで、自分の経験を共有し、具体的な営業戦略の立て方や顧客との効果的なコミュニケーション方法を教えてもらうようにしましょう。
指導によって若手社員の成長が促進され、ベテラン社員も、若手社員の新しいアイデアや視点に触れることで、自身のスキルをさらに高められるでしょう。
高齢社員が、同じ主張を繰り返したり、感情的になったり、記憶があいまいになるのは、脳の老化現象の一つです。意欲が低下する大きな原因は、体験や知識が多く蓄積され、不確実性の要素が減っていくからだとも言われています。
しかし、若手社員と一緒に働くことで今までと異なる経験や知識など、普段と違うものに触れることで、脳は新たな選択肢を増やしてくれます。こうして高齢社員のパフォーマンスを高めましょう。
経営者として、社員一人ひとりの成長を促し、脳を活かした環境づくりを意識していきましょう。それが企業の長期的な発展につながります。
高齢社員だからこそ新しいものに出会う機会を用意し、仕事を通して年を取ったことを気にしない社員になってほしいと思います。
もちろん、若手社員も世代や価値観が異なる高齢社員から学び、吸収しようとする前向きな姿勢が重要です。
お互いが相手を尊重し理解するために、こちらの診断結果を活用することが有効です。