第48回 言葉の力で職場の生産性を上げるには?
- 内山克浩
- 2024年9月2日
- 読了時間: 3分
更新日:2024年11月17日
社会保険労務士の内山です。
いつもありがとうございます。
今回は、「言葉の力」についてお伝えします。
職場で普段何気なく使う「言葉」は、言葉のやり取り以上の影響を持っています。
悪口を言うことを「毒を吐く」と表現しますが、これは単なる比喩ではなく、脳科学の視点からも真実であることが明らかになっています。

悪口や罵倒などのネガティブな言葉は、相手の脳に神経毒(神経細胞に作用する毒のこと)のようなダメージを与えることが研究で明らかになっています。さらに、これらの毒は言った本人にも悪影響を与えます。
「例えば、上司であるあなたが部下の成績不振を厳しく叱責する場面を想像してください。あなたの発した言葉は、部下のやる気をそぐだけでなく、あなた自身の精神的健康にも悪影響を及ぼすのです。
脳は安定を好みますので、一つのことを決めたがる特性があります。そのため、ネガティブな言葉よりもポジティブな言葉を使い、良い言葉で自分の世界観を固定化した方が良いのです。
ポジティブな言葉を使うことで、職場の雰囲気や社員のモチベーションが向上し、生産性が上がるでしょう。
いつも笑顔で前向きな言葉を使うことで、周囲の社員も自然とポジティブな言葉を維持しやすくなります。使う言葉の一つ一つの積み重ねが、職場の雰囲気を良くし、結果として業務効率の向上に繋がるのです。
また、褒め方にも工夫が必要です。無意味な褒め方よりも、努力に対して具体的に褒めることが大切です。
「優秀!」や「天才!」といった能力を称賛する言葉は、長期的な効果はほとんどありません。むしろ、「一週間前よりも成績が上がっている!」や「先週のプレゼン準備にしっかり取り組んでいたのが分かったよ!」といった努力を具体的に認める言葉が、その後の行動や意識に大きく影響します。
努力を具体的に褒めることによって、努力する癖が身に付き、結果として未来志向的な行動力が高まって目標達成へのモチベーションが持続するのです。
褒め方でモチベーションを引き出す方法は、第13回のブログで詳しく書いていますので、そちらをご覧ください。
更に、コミュニケーションにおいて、使わない方が良い言葉をお伝えします。
いや、でも、だって、しかし、そうは言っても、無理、などの否定的な言葉です。これらの言葉は、相手の意見や気持ちを否定し、コミュニケーションの円滑さを損なう原因となります。
これらの言葉を意識的に使わずにポジティブな言葉を選ぶことで、相手に対する敬意や信頼を表現し、良好な人間関係を築くことができます。