第45回 記憶のメカニズムを知り、記憶を維持する方法とは?②
- 内山克浩
- 2024年8月12日
- 読了時間: 3分
更新日:2024年11月17日
社会保険労務士の内山です。
いつもありがとうございます。
今回は前回の続きとして、科学的な知見に基づいた効果的な記憶維持の方法を紹介します。

例えば、顧客と電話で話しながら月次報告書を作成すると、顧客の重要な要望や報告書の重要なデータを見落とす可能性があります。これにより、後で顧客対応のミスや報告書の精度低下が発生します。
これは、複数の作業を同時に行うことで、記憶を形成する能力が部分的に失われるためです。情報が海馬だけでなく、線条体という部分にも送られるため、記憶の形成が妨げられるのです。
これを防ぐためには、作業を一つずつ確実に処理することが重要です。第39回のブログにマルチタスクについて記載していますのでご覧ください。
次に、記憶を高める食べ物についてですが、血圧、血糖値、内臓の機能、生活習慣など多くの要素が影響するため、特定の食材だけで記憶を高めることは難しいです。
しかし、バランスの取れた食事が全体的な健康と認知機能の維持に影響を与えることは確かです。
また、記憶は個人的な体験と結びつけると、長期記憶として定着しやすいです。
例えば、新入社員の研修では、具体的な業務シナリオを用いて研修を進めることで、学んだ内容が実務と結びつきやすくなります。
そういった意味では、OFF-JT研修よりもOJT研修の方が記憶の定着は高まります。
匂いが記憶と強く結びつく「プルースト効果」と呼ばれる現象も注目すべきです。
例えば、研修の部屋に特定の香りを漂わせることで、その香りと共に学んだ研修内容が記憶に残りやすくなり、思い出しやすくなる可能性が高くなります。
また、夜寝る前にバラの香りを嗅ぎながら明日のプレゼン内容を記憶し、その後に睡眠を取ることで、記憶が強化されるという研究もあります。これは、嗅覚が脳の大脳皮質(だいのうひしつ)や海馬(かいば)を直接活性化するためです。
さらに、ガムを噛むことやカフェインの摂取も短期的に脳の反応性を高める効果があります。重要な会議やプレゼン前に試してみるとよいでしょう。
また、話をシェアすることも記憶を強化する方法の一つです。単に情報を伝えるのではなく、感じたことや意見を共有することで、記憶が定着しやすくなります。チーム全体で共有することで一人一人の記憶を強化することが可能です。
以上の方法を実践することで、社員の記憶を維持し、組織全体のパフォーマンスを向上させることができるでしょう。
そのためにも、経営者は記憶のメカニズムを上手に利用して、社員をサポ―トする環境づくりに努めましょう。




