第41回 自信のない社員を変えるアプローチと回復法は?②
- 内山克浩
- 2024年7月15日
- 読了時間: 3分
更新日:2024年11月17日
社会保険労務士の内山です。
いつもありがとうございます。
前回の「自信のない社員を変えるアプローチと回復法は?①」の続きとして、今回は具体的に社員の自信を育む方法についてご紹介します。
まず、社員が「自分にはできない」と思い込む原因を考えましょう。多くの場合、社員は自分の不得意な部分や欠点に焦点を当てています。人は「できない」ことに悩みますが、「できる」ことについては悩みません。社員には「できる」ことに目を向けるよう促しましょう。
「失敗」という記憶は、「失敗の繰り返し」によって強化されます。
社員の失敗から原因と解決策を考え、①失敗に負けない根気、②問題解決能力、③楽天的な性格の3つを育むことを伝えましょう。
脳はクヨクヨすることでさらにクヨクヨが強化されるため、ネガティブな感情を上回るポジティブな感情をあえてつくり、ネガティブな感情の割合を減らすことで①から③の能力は育みやすくなります。
例えば、会社帰りにリフレッシュのために飲みに行ったり、趣味に没頭したり、家族と笑い合ったりすることが有効です。頭の切り替えは、日々の訓練で上達します。
また、人とのコミュニケーションが苦手な社員でも、文章を書く事が上手だったり、人の話を聞く事が得意だったりすることがあります。できないことではなく、まずできることに目を向けさせましょう。

それでも自分のできることが見つけられない社員には、人から褒められたときや感謝されたときに「できた」という意識を持たせましょう。自分の「できた」ことを再発見させ、「できない人」ではないという認識を持たせるのです。
さらに、ミスをしたときに「自分はくよくよしてしまう」と思う社員には、運動不足が原因かもしれないと伝えましょう。
ミスをしても前向きでいるためには訓練が必要で、その訓練には有酸素運動が有効です。意識的に歩く量を増やすなど、有酸素運動は前向きな自分を作るポイントとなります。
悩みの種のすぐ近くに自分の強みがあることもあります。
例えば、「決断力がない」「リーダーシップがない」と悩んでいる社員が、実はサブリーダーとしての能力が高い場合があります。サブリーダータイプの社員は情報収集が得意ですが、決断が苦手な場合が多く、本人はそのことに気づいていないことも多いです。
最後に、大人にとっての安全基地とは、経験やスキル、知識です。安全基地とは逃げ込むための基地ではなく、世の中で戦っていくための基地です。
経験やスキル、知識が備わっていなくても、何が備わっていて何が足りないのかを考え、足りない部分を埋める努力をすれば、不安材料が少なくなり、安全基地が自然と出来上がります。
また、安全基地には心の拠り所も必要です。
相談に乗ってくれる友人や手助けしてくれる先輩、悩みを聞いてくれる上司、そして心からホッとできるパートナーの存在は、まさに心の拠り所です。
自らが誰かの安全基地となり、会社全体が社員の安全基地になる組織が、理想的な組織の一つでもあります。




