第39回 脳の特性を利用した効率的な仕事の進め方とは?②
- 内山克浩
- 2024年7月1日
- 読了時間: 3分
更新日:2024年11月17日
社会保険労務士の内山です。
いつもありがとうございます。
経営者の皆様にとって、社員の生産性を高めることは重要です。今回は、効率的な作業方法と集中力についてご説明します。
特に、マルチタスクの限界と集中力を高める方法に焦点を当てています。
まず、1度に複数のタスクをこなそうとすることは、一見効率的に見えるかもしれません。しかし、実際にはこの作業からあの作業へと飛び回っているだけで、脳には大きな負担がかかっており、生産性を下げてしまいます。

理由として、脳はタスク間ごとの集中力の切り替えに時間が必要で、さっきまでやっていたタスクの意識を引きずることで、切り替えたタスクの意識や集中を阻害する状態(専門用語で「注意残余」といいます)が関係しています。
例えば、ほんの数秒間のメールチェックでさえ、再び元のタスクに100%集中できるまでに何分もの時間を要してしまうのです。
(切り替え時間の長さは状況により異なるため、正確な時間を測定することはできません)
本来のタスクの実施中に社内外の方とメールやチャットを使って頻繁に連絡を取る社員がいたら、本来のタスクの集中力が切れ、ミスが増えるかもしれません。本来のタスクに集中する時間帯を設けることをお勧めします。
また、マルチタスクは作業記憶にも影響を及ぼします。作業記憶とは、作業に必要な情報を、一時的に保存し処理する作業台のような能力です。
複数のタスクを同時に処理しようとすると、この作業台が混雑し、重要な情報を見逃したり、重要でない情報に気を取られることが多くなります。
マルチタスクを頻繁に行う人は、重要でない情報を無視する能力が低いかもしれません。これは、情報を処理する際に、目の前のタスクと関連の薄い情報を効果的に無視できない状態を指します。
私たちの脳は、目の前に流れる大量の情報から、何に注意を払うかを選択しています。重要な情報に集中し、それ以外の重要でない情報は排除することで、作業効率や判断の正確性が向上します。
しかし、これがうまく機能しない人は、重要ではない情報にも簡単に気を取られ、本来集中すべきタスクの作業効率が低下してしまいます。
このような課題に対処するために、マインドフルネス瞑想が効果的です。
マインドフルネスは、自分自身を客観的な目撃者として観察する練習を通じて、感情的な出来事に対する反応を管理する力を高めます。
特に「注意集中法」という瞑想技術は、集中力を高め、気が散るのを防ぐ効果があります。
これらの科学的知見を活用して集中力を維持し、社員の作業効率を高めてはいかがでしょうか?




