第25回 「高い給与」と「やりがい」 幸せな仕事とは?
- 内山克浩
- 2024年3月25日
- 読了時間: 3分
更新日:2024年11月17日
社会保険労務士の内山です。
いつもありがとうございます。
「幸せな仕事」の定義はありませんが、「高い給与」と「やりがい」の両方が得られる仕事は幸せな仕事の1つかもしれません。人によって感覚差はありますが、両方得られる仕事は満足度としては高い状態でしょう。
経営者からみて自社は両方得られる状況だと思っても、社員は「給与そこそこ、やりがいもそこそこ」「給与低いし、やりがいもない」「給与は結構いいけど、やりがいはない」など思っているかもしれません。

社員全員が図の①であれば素晴らしいですが、実際はどの番号のポジションが多いと思いますか?
これについては、社員にアンケートを行っても正直な回答はしないと思いますので永遠に分からないと思います。
それでは②と③を比べた場合、どちらを目指すべきだと思いますか?
私は②より③を目指すことをお薦めします。もちろんお金が必要な社員もいるでしょうが、幸福感や健康面を踏まえると③を選択すべきだと考えます。
その理由として、脳は自分にとって、楽しいこと、ワクワクすること、心地よいこと、すなわち「快と感じること」や「好きなこと」を積極的に行動したり真剣に考えようとします。すなわち、前向きな思考に脳のスイッチがオンになるのです。
反対に、興味がないことや楽しくないこと、すなわち「不快と感じる」「嫌いなこと」は、無意識に攻撃的な行動や逃避的な行動を起こして、脳のスイッチをオフにして考えない思考に働きます。
ここでのポイントは、組織として②ではなく③を目指すと、積極的な行動や前向きな思考などが発揮されるようになり、一方②を目指すと、これらを発揮することが難しくなるという点です。
社員が仕事で幸せを感じるためには、やりがいを少しでも高く感じられる仕事が必要かもしれません。もしそれが事実ならば、社員にやりがいのある仕事を提供することは、会社にとって非常に重要な責務と言えるのではないでしょうか。
やりがいを少しでも高く感じれるようになるために、例えば、社員一人一人の行動を常に細かく観察し、日頃から何に興味を持っているのか、そこから推測してどの業務に向いているのかを見極めてみることから始めてみてください。
日々観察してみると、何に情熱や関心を抱き、能力を発揮することができそうか推測できると思います。
その後、1on1で目標設定、キャリアパスの明確化、スキルアップの機会などと同時に、個々の社員の特性や適性を理解し、それに基づいて適切な役割分担を行います。その結果、社員は仕事にやりがいを感じるようになり、組織全体の成果も向上するでしょう。




